「うる星やつら」の博物誌

原作 06.18 夫婦ゲンカ始末記
テレビアニメ 第80話 夫婦ゲンカ食うか食われるか!



主な登場人物

場所 諸星家
・あたるの母
・諸星あたる
・ラムの父親
・ラム
・あたるの父親
・テン

アイテム
・エビフライ
・サッパリビール(SAPARI BEER)


場所 ラムの父親の回想 ラムの実家
・ラムの父親
・ラムの母親

アイテム
部屋にかけられたラムの写真


場所 学校
・温泉マーク
・クラスメイト
・しのぶ
・面堂
・コウスケ

あらすじ

ラムの父親が、ラムの母親と食べ物のことで喧嘩をして、家を追い出されて、諸星家へと転がり込む。
ラムの父親は、学校へやってきて、「男の道」 について講義しはじめるが、そこへラムの母親がやって来て・・・・


落語 女天下

 魚屋の金太は、女房にどうにも頭が上がらない、そこで、隣に住んでいる平助に頼んで、女房に意見してもらおうとするが、平助もこれまた女房の尻に敷かれ ていてそれどころではない。
 
 そこで二人は老学者の根津先生に相談しに行く。先生は二人を、「お前たちは意気地がない。そんなことでどうする。」と叱り付けるが、奥方が帰って来た途 端に、平身低頭。

 金田と平助は、帰りに身投げをしようとするところへ先生が逃げてきて、

「早まってはいかん。わしはお前たちの細君に意見するから、どうかお前たち、わしの家内をなんとか・・・・」


日本では、女房が亭主を尻に敷くというのは、ポピュラーな話だと思いますが、西洋では、あまりこの手の話はありません。

亭主を尻に敷く女房は、大抵は、悪女として描かれます。


夫が首枷を受けたこと


 昔罪を犯した者は、その悪業が書き記してある書面を額に張り付けて、首枷をつけるという処罰を受けることになっていた。

 ある女が罪を犯しこの刑罰を受けることとなったのたが、その夫は彼女を大変愛していたので、大金を用いて、その刑罰を自分が代わりに受けることにした。

 その後この夫婦が喧嘩をすることがあり、妻は夫を罵り、見も知らぬよそ者の前で、

「私はまだお前さんのように首枷をはめられたことなんかないんだよ」と言った。


 こういった、言うことを聞かない妻に対しては次のような話が語られます。

オンドリの教え

 ある男が、「口外した場合は死ぬ」 という条件で、動物の言葉を理解する力をソロモンから授かった。

 男がその力を用いて動物たちの話を楽しんでいると、妻が、

「あなたは、私を馬鹿にし笑いましたね。なぜ笑ったか教えてくれなければ、この家を出て行きます。」と言った。

 男は自らの死を覚悟して、その秘密を明かす決心をした。するとオンドリがこんな話をしているのが聞こえてきた。

「俺には十羽の妻がいるが、俺の意に反するようなことをする妻はいない。ご主人ときたら、たった一人の奥方を叱ったり罰したりできないとは情けない。言う ことを聞かないのならば、棍棒で殴ればいいものを・・・・」

 男はこれを聞くと、その言葉に従って妻を打ちすえた。それからというもの、妻は従順になり、夫を悩ますことはなくなった。

ソクラテスの教え

 ある男がソクラテスのところへやって来て、「私は結婚して間もないのですが、夫婦円満にやって行く方法をお教え下さい。」と言った。

 哲学者は男を自分の家へ招き入れると、階段の下で立ち止まり、女房を呼んで言った。

「一番大きなオリーブ油の壺を、窓から投げろ。」

女房はその通りにした。哲学者は更に言った。

「ほかの壺も窓から投げろ。」

そのあとでソクラテスは若者に言った。

「さあ、家へ帰りなさい。あなたの奥さんも、私の女房のように従順に教育すれば、夫婦円満ですよ。」


グリム童話の「つぐみの髭の王様」はこの類話といえますし、シェークスピアの、「じゃじゃ馬ならし」も、こういった話をヒントにして作られています。

西洋では、レディーファーストなどと言われていますが、女性を蔑視する傾向は、日本よりも強いように思えます。

あたるの父親



あたるの父親は、梯子に登って、教室の様子を見ているのですが、これは天才バカボンのパロディなのでしょうか?

「バカボンのパパ」 は、植木職人だったので、バカボンの授業を、学校の植木から眺めていたものです。


あたるの父親は、ラムの父親の「男の道」 の話に感化されて、精一杯頑張ります。

サザエさんのエピソードに、ベッドのセールスマンが、サザエさんに、ベッドのよさを一生懸命説明して、ベッドを売り込む話がありました。

しかしサザエさんは、耳栓をしていて話を聞かなかったので、結局売れずじまい。

ところが、毎日庭でセールスマンの話を聞いていた、植木職人が、ベッドを買う。という話でした。


番外 あたるのトレーナー



このあたるのトレーナーですが、いくつかのカットを見てみると、どうやら PORT GRIMAUD  と書かれているようです。

ポール・グリモー (グリモー港) といえば、南仏の高級リゾート地です。では、あたるはなぜ、このようなトレーナーを着ているのでしょうか?

実はこのトレーナーは、高橋留美子氏が、友人の新婚旅行のお土産にもらったものなのです。そして、その夫婦はこの時、ささいなことから喧嘩をしていたので す。

それで、その夫婦を諌めるために、この漫画を描いたのです。・・・なんてことだったら面白いのですがね・・・

ちなみに、ブリジット・バルドーも「グリモー港」という曲を歌っていたようです。

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2005年4月30日 服部和正



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