「うる星やつら」の博物誌

原作漫画  06.05 「命かけます、授業中!!」

テレビアニメ 79話 「命かけます授業中!」



・主な登場人物
あたる
コースケ
クラスメイト
テン
温泉マーク
ラム
面堂

・場所
友引高校の英語の授業


・あらすじ

あたるたちが、「授業が何度もつぶれているので、補習になるかもしれない。」と話していると、テンがやって来て、「補習ってなんや?」と尋ねる。

しかしあたるたちは、テンを無視して仲間内で話し続ける。すると、テンが怒って、火を吹きかけると、皆は雪をぶつけて反撃する。

授業が始まると、温泉マークは、授業中一言でも喋ったら、補習にすると宣言する。

そこへ、テンが先ほどの仕返しにやって来るのだが・・・・・


「話してはならない」ということをテーマにした話は、世界中にたくさんあるのですが、その中のいくつか見てみたいと思います。

日本の昔話 無言くらべ

 お爺さんと、お婆さんが、隣の家から餅を五つもらい、2つずつ食べた。そして残った一つは、無言比べをして、勝った方が食べることにした。

夜中に泥棒が入り、お婆さんが「泥棒!」と叫ぶと、お爺さんは、「わしの勝ちだ」と言って、餅を食べた。

アテネの哲学者

 昔、ギリシアのアテネでは、哲学者として認めてもらうためには、鞭で打たれて、それに辛抱強く耐えなければならなかった。

 ある時、ある志願者が鞭打ちを受けた。そして、それに耐えに耐えて、鞭打ちがが止むと叫んだ。

「これで俺は、哲学者だ!」

 彼がそう叫んだ途端、判定者の一人がこう言った。

「ねえ君。今の言葉を発しさえしなければ、哲学者になれたのに、我々はまだ、判定を下してなかったでしょう?」


これに似た話には、鎌倉時代に、無住(むじゅう) という人が編纂した、「沙石集」にもあります。

沙石集 4.01 無言上人の事

 ある山寺に四人の上人がいて修行をしていた。そして、真理とは言葉では言い表せないということを悟ろうとして、七日間の無言の行を始めた。

 時間も経ち夜が更けて、灯明が消えかかったのを見て、一番下の位の僧が、寺男に言った。

「灯心をかきあげなさい」

 これを聞いて、一つ上の位の僧が、「無言の道場で、物を言ってよいわけがない」と言った。

 すると更にその上の位の僧が、二人が喋ったことに驚いて、「馬鹿なことを言うものではない」と言った。

 すると、一番上の位の老僧は、三人が話したことに呆れてこう言った。

「わしだけが、物を言わない」


インドにも次のような話があります。

インドの昔話 地面に落ちた白い服


 ある川の近くに、三人兄弟の隠者が住んでいて、苦行をしていた。彼らが沐浴している間、濡れた白い衣服が地面に触れて汚れぬようにと、苦行で得た超能力 で、空中に浮かせていた。

 すると、禿鷲が飛んで来て、川辺にいた蛙をさらって行こうとした。それを見た長男は、可愛そうに思い、

「放してやれ、放してやれ!」と叫んだ。

 すると、彼の白い服は、空中から落ちた。次男は兄の白い服が落ちたのを見て、自分のも落ちては困ると思い、

「放すな、放すな!」と叫んだ。すると彼の衣も落ちてしまった。

 三男は兄たちの白い衣服が地面に落ちたのを見て、沈黙を守った。


黒板に書かれたもの





黒板の上の段には、 He had umigame, .....   と書かれています。

これは、「彼はウミガメを飼っていた....」 という意味でしょうか? 冠詞がないところが気になりますが・・・・恐らく、これは、温泉マークの心を表しているのでしょう。

温泉マークは、「一度でいい こんな静かな授業をしてみたかった・・・」 と感動して涙を流していましたので、これと、「ウミガメは、卵を産むときに涙を流す。」 というのをかけたのかもしれません。

下段は、 Uono many namida  と書かれています。 これは、「魚の目に泪」 と読むようです。

これは、松尾芭蕉の奥の細道の「行く春や 鳥啼き 魚の目は泪」から採られて いるのだと思います。

この句は、一般には、「行く春を惜しんで、鳥も啼き、魚も人知れず泪を流している」というような意味で、家族を後に残し、奥の細道へと旅立つ芭蕉の心情を 表したものと言われています。

しかし、これとは全く別に、魚の目を、足にできるウオノメと解釈する人もいます。俳句の読み方

many の用法

「Uono many namida」 の  many   を 「目に」 というように読む用法は他にも見られます。


Many aoba yama hototo-gisu hatsu gatsuo.
「目に青葉 山ほととぎす 初鰹」  山口素堂

Yanagi ha midori, hana ha kurenai
「柳は緑、花は紅 (柳緑花紅)」 禅宗の教え 


新渡戸稲造

見る毎に
皆そのままの
姿かな
柳はみどり
花は紅
原作06.03 部外者ちん入 より 


番外


監督:アーサー・ペン
ボニーとクライドの物語



2005/4/18

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