・ラム
・テン
・空から降ってきた雪ダルマ
・錯乱坊(チェリー)
・諸星あたる
・面堂終太郎
・クラスメイト
・雪ダルマの妖精の出したもの
ウサギのダンス
ご飯
酒
・アイテム
あたるの、銭湯の用意
洗面器、タオル、石鹸、シャンプー、(リンスはなし)
あらすじ
空から謎の雪ダルマが落ちてきて、テンを押しつぶす。テンが、仕返ししようと、炎を吐くと、雪ダルマはたまたまそこを通りかかった、あたるの後ろに隠れて
難を逃れる。
翌朝その雪ダルマが、諸星家の前にいるのをテンが見つけて、炎を吐きかけるが、まともや雪ダルマはあたるの後ろに隠れて難を逃れる。
真っ黒こげになったあたるに、ラムとテンが、雪ダルマが動いたと言うが、あたるはそれを信じない。
その日の体育は、マラソンであった。校門で雪ダルマは待っていて、あたるの後をついてくる。クラスメイトは、雪ダルマが動くのを見て、それが信じられず、
錯覚だと自分自身に言い聞かせるのだが・・・・
以前、どこかの新聞で、「うる星やつら」は、「ドラえもん」の影響を受けている・・・・というような
コラムを読んだのですが、きっとそれは、ドラえ
もんの四次元ポケットから出すアイティムと、ラムの出すアイティムの類似性や、ラムが押入れに寝ているとか・・・そういったことについて言っていたのだと
思います。
さて、今回の作品なのですが、これは、藤子不二雄の作品の影響が色濃く反映している例だと思います。
ヒョンヒョロ 藤子不二雄 (’71 日本SFベスト集成 筒井康隆編 徳間文庫)
ヒョンヒョロという話は、宇宙から「ヒョンヒョロ」という玉が落ちてきて、それを「マーちゃん」とい
う子どもが拾います。それをウサギの姿をした宇
宙人が取り返しにやって来るのですが、マーちゃんの両親はウサギの姿をした宇宙人など信じられず、目の前にいても、錯覚に違いないと自分に言い聞かせて、
見えない振りをするのです・・・。
この話の面白いところは、常識に囚われて、実際に見ているものさえ否定してしまうというところにあるのですが・・・以前何かで読んだ話に、次のようなもの
がありました。
昔、中国で人間の死体を腑分けした時のことです。当時は、人間の身体を開いて見るというようなことは、禁じられていたのですが、特別に許可が下りて、高名
な学者が腑分けをしたそうです。
さて、その学者が死体を切り開いたところ、本に書かれているのとは全く違っていました。
「これはおかしい! ・・・・きっとこの死体が間違っているのだ。」
学者はそう言うと、開いたところを閉じて縫合してしまったそうです。
また、スウェーデンの植物学者リンネ(1707-1778) には次のような逸話があります。
リンネは進化論に対立する種の発生論を信じていたのですが、ある日、彼は庭を歩いていて、一匹の虫を見つけました。彼の専門家としての目からすれば、その
虫は明らかに、進化論の優位を証明するものでした。そこでリンネはその虫を踏み潰し、砂に埋めてしまった。こうして彼はダーウィンになる機会を逸したので
した。
うる星やつらの場合、ラムやテンは空を飛んでいますし、妖怪なども、うようよ出てくるわけですから・・・・雪ダルマが動いていたって、別にかまわないよう
な気もします。ですから、同じモチーフを用いた、次のような面堂の態度の方が、「うる星やつら」らしいような気がします。
原作02.06 春のうららの落第教室 より
今回のテレビアニメは、かなり忠実に原作をトレースしているのですが、後半一気に独自の世界に突入し
ます。
そして、それらは、当時流行ったコマーシャルのパロディが使われているようです。
青いというのは、つまりミズミズしい野菜のことで、 それをとらなければ「らちかんぞー」ということは誰もが 知っている。 |
このチビの独白は、1976年ごろの、カゴメ野菜ジュースのCMのパロディーです。
田舎の母親が、都会の息子におくるメッセージという風なコマーシャルで、いくつかのバージョンがありました。
「ただよし、元気にやっとるきゃ、・・・・・野菜をうーんととらなきゃだめじゃにゃーきゃー」
「たけしも、野菜をとらにゃ、だちかんぞー」
うる星やつらのテレビアニメの放送は、1983年ですから・・・・かなり古いコマーシャルですが、実はこれは、うる星やつらの原作にも使われています。
らちかんざし? |
原作 01.04 あなたにあげる より 1978年
本家のCMでは、「だちかんぞ」となっているのですが、原作漫画では、「らち かんざし」となっています。テレビアニメ は原作を意識的に取り入れて、「らちかんぞ」としたのかもしれません。(CMの取り扱いは、色々な配慮が必要なのかもしれません)
当時、このCMを作ったカゴメの宣伝課の課長?さんが、現在は、社長になっているそうです。参照サイト
芸術は爆発だ、演出はハッタリだ。 「演出はハッタリだ」というのは、今回このアニメを 演出した人の本音かもしれません。 |
1982年、日立マクセル のCMに使われた。 |
金ぽっち、酒ぽっち、女ぽっち (錯乱坊は、酒は飲むが、女性への執着は断ち切った というような設定になっていたと思いますので、これは 特異なセリフだと思います) |
西川のりお、桂文珍 が原始人の姿で登場し、 「ちゃっぷい、ちゃっぷい、どんとぽっちい」 と、言って震えているというCM 1983年 |
この、原始人言葉は、どこかの研究機関の研究成果によるものである。というのを、何かで読んだ記憶が あります。
以上は、僕が気づいたものですが、その他のシーンも何かのパロディーになっているのだと思います。
参照リンク
らんま/考 雪だるま