「うる星やつら」の博物 誌

原作 コミックス 02.06 ワイド版 01.06 幸せの黄色いリボン
テレビアニメ 第十三話 電撃ショックがこわい!

主な登場人物

・諸星あたる
・ラム
・錯乱坊
・メガネ
・あたるの母
・クラスメートA
・三宅しのぶ

・アイテム  鬼力(きりょく)を封印することのできる黄色いリボン


あらすじ

ラムの電撃攻撃に困り果てたあたるは、錯乱坊にラムの電撃を封じる手立てを講じてくれる ようにと頼み 込む。
そこで錯乱坊は、結んだ者の手によってしかほどけない、鬼力を封印する特別なリボンをあたるに与える。
こうして、このリボンを角に結ばれたラムは、超能力が一切使えなくなってしまう。


・角が霊力の源

角が鬼の霊力の源である。ということがはっきりと示されたのは、今回が始めてなのです が、第一話の 「角をつかんだら勝ち」という設定からすると、作 者は最初から角に大きな役割を担わせようとしていたのは間違いないでしょう。

鬼力を封印されてしまったラムちゃん

この話しのように、霊力を封印されて、力を失ってしまうという話は数多くあるのですが、その中でも一番有名なのは、旧約聖書のサムソンの物語だと思いま す。


旧約聖書 士師記 16

1.サムソンは、ガザへ行ったとき、そこでひとりの遊女を見つけ、彼女のところにはいっ た。

2.このとき、「サムソンがここにやって来た。」と、ガザの人々に告げる者があったので、彼らはサムソンを取り囲み、町の門で一晩中、彼を待ち伏せた。そ して、「明け方まで待ち、彼を殺そう。」と言いながら、一晩中、鳴りをひそめていた。

3.しかしサムソンは真夜中まで寝て、真夜中に起き上がり、町の門のとびらと、二本の門柱をつかんで、かんぬきごと引き抜き、それを肩にかついで、ヘブロ ンに面する山の頂へ運んで行った。

4.その後、サムソンはソレクの谷にいるひとりの女を愛した。彼女の名はデリラといった。

5.すると、ペリシテ人の領主たちが彼女のところに来て、彼女に言った。「サムソンをくどいて、彼の強い力がどこにあるのか、またどうしたら私たちが彼に 勝ち、彼を縛り上げて苦しめることができるかを見つけなさい。私たちはひとりひとり、あなたに銀千百枚をあげよう。」

6.そこで、デリラはサムソンに言った。「あなたの強い力はどこにあるのですか。どうすればあなたを縛って苦しめることができるのでしょう。どうか私に教 えてください。」

7.サムソンは彼女に言った。「もし彼らが、まだ干されていない七本の新しい弓の弦で私を縛るなら、私は弱くなり、並みの人のようになろう。」

8.そこで、ペリシテ人の領主たちは、干されていない七本の新しい弓の弦を彼女のところに持って来たので、彼女はそれでサムソンを縛り上げた。

9.彼女は、奥の部屋に待ち伏せしている者をおいていた。そこで彼女は、「サムソン。ペリシテ人があなたを襲ってきます。」と言った。しかし、サムソンは ちょうど麻くずの糸が火に触れて切れるように、弓の弦を断ち切った。こうして、彼の力のもとは知られなかった。

10.デリラはサムソンに言った。「まあ、あなたは私をだまして、うそをつきました。さあ、今度は、どうしたらあなたを縛れるか、教えてください。」

・・・・・・中略

16.こうして、毎日彼女が同じことを言って、しきりにせがみ、責め立てたので、彼は死ぬほどつらかった。

17.それで、ついにサムソンは、自分の心をみな彼女に明かして言った。「私の頭には、かみそりが当てられたことがない。私は母の胎内にいるときから、神 へのナジル人だからだ。もし私の髪の毛がそり落とされたら、私の力は私から去り、私は弱くなり、普通の人のようになろう。」

18.デリラは、サムソンが自分の心をみな明かしたことがわかったので、人をやって、ペリシテ人の領主たちを呼んで言った。「今度は上って来てください。 サムソンは彼の心をみな私に明かしました。」ペリシテ人の領主たちは、彼女のところに上って来た。そのとき、彼らはその手に銀を持って上って来た。

19.彼女は自分のひざの上でサムソンを眠らせ、ひとりの人を呼んで、彼の髪の毛七ふさをそり落とさせ、彼を苦しめ始めた。彼の力は彼を去っていた。

20.彼女が、「サムソン。ペリシテ人があなたを襲ってきます。」と言ったとき、サムソンは眠りからさめて、「今度も前のように出て行って、からだをひと ゆすりしてやろう。」と言った。彼は主が自分から去られたことを知らなかった。

21.そこで、ペリシテ人は彼をつかまえて、その目をえぐり出し、彼をガザに引き立てて行って、青銅の足かせをかけて、彼をつないだ。こうしてサムソンは 牢の中で臼をひいていた。


サムソンの場合は髪の毛に霊力が宿っていたのですが、類話では、それは髭であったり、魔 法の卵であっ たりします。そしてSFになると、スタンリー・ キューブリック監督の「時計仕掛けのオレンジ」のようなものになるかもしれません。

悪逆非道の限りを尽くしてきたアレックスは、仲間の裏切りにより、投獄されてしまう。そこで彼はわずか2週間で出所できるという「特別更正プログラム」に 自ら志願する。こうしてアレックスは自由の身となったのだが、その体は更正プログラムのために、あらゆる暴力を拒絶し、アレックスを憎む人々の憎悪に晒さ れることとなる。

この場合アレックスは、洗脳により霊力を奪われてしまったということになります。また、星新一のショートショートにはこんな話しがありました。

男は偶然、宇宙人からピストルのうよな武器を手に入れるのだが、この武器は万能で、あらゆる攻撃から身を守ってくれ、ミサイルでさえ撃退してくれるくれ る。いつしか男は、世界に君臨すようになる。しかし男を諌めようとした者を、男がその武器で殺そうとした途端、それは使用不能になってしまう。実はこれは 護身用で、人を傷つけようとすると、安全装置が働いて壊れてしまうのだ。・・・・さて男はこの後どうなるのか・・・

大枠は同じでも、中身を少し変えるだけで、物語とは無限の広がりを持つもののようです。


2003/09/21日
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