「らんま1/2」について



2005年03月28日


甥が、「らんま1/2」を友だちからもらってきたというので、少し読ませてもらったのですが、これが、とても面白い のです。多少サービスし過ぎという点はありますが、ギャグもストーリーも、「うる星やつら」を凌駕しています。
これを喩えて言うならば、「うる星やつら」という苗木を、丹精に育て上げ、その大木に、たわわに稔ったのが、「らんま1/2」という果実ということになる と思います。
ですから、本来「らんま」こそが、高橋留美子氏の代表作と呼ばれるべきものでしょう。しかし、「うる星やつら」が余りにも偉大過ぎました・・・・
うる星やつらは34巻で、らんまが38巻ですから、「らんま」の方が分量は多いのですが、その密度が違います。ざっと見た感じでは、「らんま」は「うる星 やつら」を3倍から4倍に薄めた感じです。

別にそれが悪いと言っているのではありません。読みやすく、絶妙のバランスだと思います。逆に、うる星やつらが、濃すぎるのです。濃すぎて、話の枠に収ま らずに、そこらじゅうにはみ出している感じがします。しかし、そのはみ出した部分が、これまた魅力なんですよね。
一体僕は、何が言いたいのかといいますと・・・つまりどちらも面白いということです。




「らんま1/2」の水平移動


2005年04月16日

「らんま1/2」は、格闘漫画です。しかも、並み居る強敵をどんどん倒して行くという、格闘漫画の王道を行くような 設定です。
 しかし、普通の格闘漫画とちょっと違います。それは、普通の格闘漫画が、垂直方向に進んで行くのに対して、らんまは、水平方向に進んで行くからです。
 格闘漫画に限らず、スポ根漫画などでも、とにかく最終目標は一番になることです。階段を一段一段昇って行くように、どんどん強くなって行って、最後は一 番になるのです。
 しかし、らんまにはそういった目標はありません。らんまは最初から最強の男なのです。これは、ウルトラマンや仮面ライダーや水戸黄門や攻殻機動隊や名探 偵コナンなどのスーパーヒーローと同等の存在です。
 しかし、スーパーヒーローは、自分より格下の者と戦うので、静止したままです。(スーパーヒーローというのは、実は受身的な存在で、悪がなくなれば、そ の存在理由はなくなってしまうのです。)
「らんま1/2」には、悪の組織が出てくるわけではありませんので、静止していては、話になりません。そこで、考え出されたのが、水平方向への移動ではな いかと思います。
 らんまは、格闘家としての戦いで、九能を倒してからは、新体操、スケート、茶道・・・・と、ジャンルをどんどん変えて行きます。これは、同じ高さのハー ドルを次々に越えて行くような水平方向への動きです。
 この水平方向への動きは、ジャンルごとに、最強になるので、「リングにかけろ」や「ドラゴンボール」のように、最強の最強の最強の・・・神様というよう な、ジレンマに陥ることもありません。
 このフォーマットを最初に取り入れた漫画は? というと、六田登の「ダッシュ勝平」か? とも思いましたが、それよりも、本宮ひろ志の「硬派銀次郎」 や、亜月裕の「伊賀のカバ丸」などではないかと思います。(他にも沢山あるかもしれませんけど)
 この「スポーツ万能の主人公が、あらゆるスポーツを制覇する」というフォーマットを、あらゆるジャンルは、格闘技である。としたところが、らんま1/2 の面白いところだと思います。


コメント:
Wakiさん
2006/05/12 11:17:25
水平移動のフォーマット・・・今更ながらこんなことでコメントするのもなんなのですが・・
ジャンルを変えてチャンピオン目指す漫画としては「ハリスの風」というのが 1960年代にあります。当時1ページあたり原稿料が日本一高かった漫画家  「ちばてつや」さんの作品です。

服部
2006/05/13 10:11:26
Waki さんコメントありがとうございました。
ハリスの旋風 ですか、気付きませんでした。(^^)
これからも是非、色々と教えて下さい。よろしくお願いします。(^^)


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